笑気吸入鎮静法での親知らず抜歯

投稿日:2015年1月6日

カテゴリ:医院ブログ

当院は歯科口腔外科と標榜しているので、親知らずを抜きたいという患者さんが多い。初めての方でも、すでに過去に経験している方でも共通しているのは。。
①怖い
②痛い
③時間かかった
④腫れた
⑤血が出た
である。まあ上と下で難易度も異なるし、横に向いていたり、斜めになっていると術後の様子も変わってくる。どんなに上手い先生が抜いても腫れるときは腫れるし。
時間というのは術者の技量で大きく変わるだろう。夏過ぎの大学病院は研修医がやるので時間かかるといわれている。

怖 いということに関しては、一番は全身麻酔である。海外では親知らずは手術室で4本同時でというのが、文化になっている。日本でも最近行われているが、正直 なところ病院の入院日数のため。。みたいな所も多い。日本の土壌にはあまりあっていないと思う。そこで次の手として鎮静法が挙がってくる。静脈内鎮静法に ついては過去にも書いたので、笑気吸入鎮静法について書いてみたい。

笑気というガスを一定濃度吸入し、リラックスした状況にさせる方法。 同時に高濃度の酸素も吸入するので、高血圧や心臓に負荷のかかる状態の患者さんにも有用である。点滴もとらなくてよく、用意としては簡単である。難点は患 者によって効果がまちまちな場合が多いということ。。完全にトロッとしてしまう方からあまり効いてないような方までいる。静脈内の場合は血管内に直接薬剤 がはいるので、調節性はいいし、確実である。

今日は親知らず2本を笑気吸入鎮静法でおこなった。処置は20分で終了。患者さんは意識はあ るものの、リラックスできたようだ。ただやっている術者(自分)が笑気に対して敏感なので、患者さんの呼気からの笑気でくらっとするときがある(笑)。全 身麻酔なら余剰ガス排出できるのでいいのだが。。。終わった後に外で深呼吸したいが、暑い。。