医聖 華岡青洲先生

投稿日:2015年1月6日

カテゴリ:医院ブログ

人生の中で尊敬する人というのは当然いるはず。
自分の中では、今回の華岡青洲先生がその一人である。
これが華岡先生

華岡青洲と聞いてピンとくる先生は、全身麻酔をしたことのある医療関係者だろう。
世界で初めて乳がんの手術を全身麻酔で行った江戸時代の医師である。しかもその麻酔作用の実験に奥さんと母親が協力したという。。。奥さんはその結果、失明してしまったらしいが。。。

先生は朝鮮アサガオなどの植物を配合し、通仙散という麻酔薬を精製した。その業績は世界的なもので、日本麻酔学会などはロゴマークが朝鮮アサガオになっているし、アメリカ外科学会の殿堂にも入っている。

歯科麻酔学会の認定医試験にも昔は問題として出ていた(過去問全てやったので。。。)

今我々は全身麻酔する場合はセボフルレンなどの吸入麻酔薬やプロポフォールなどの静脈麻酔薬に筋弛緩剤や鎮痛剤をミックスさせて行っている。それもモニターで心電図、血圧計、酸素飽和度を監視し、酸素吸入もするという万全の体制である。

江戸時代などはそんなものがあるはずもなく、経験とカンで勝負するしかないのでかなり無理しないとできなかっただろう。。。というか無謀である。。。ありえない。。

今 回はゴールデンウイークに大阪まで行ったので、足をのばして和歌山の紀ノ川市にある華岡青洲の生家と記念館にいってきた。前から行きたかったが、なかなか 機会がなくて断念していた。先生の使用していた外科器具や本などが展示してあるのだが、感動ものである。。。(最寄りの駅からの足がなく、山道を3キロく らいスーツケースを引っ張って登ったが)
我々医療関係者はその偉業を理解し、同じ日本人として誇りを持つべきだと思う。

 
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朝鮮アサガオです。
 
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華岡先生の銅像と写真撮りました。